寺山修司 Shuuji Terayama
まず、登場人物が必要である。
だが、国家や社会は真の意味での「登場人物」 つまり、異形の個人を指名することを好まない。
マルセル・モースが「魔術論素描」のなかで、そのメカニズム ...
演劇 Theater
廃屋が語る家族のドラマ
「屋根」は、大正、昭和、そして平成と、激動の時代を生きてきた日本人の家族史というものを、北海道の開拓農民だった明治生まれの夫婦と、その家族らの人生に託して描 ...
あゝ荒野
港館は、新宿二丁目の旧赤線地帯の廃堀の中にあった。
表通りはヌードスタジォで、板 二枚へだててアパートになっていた。
だが、ヌードスタジオと便所、水道炊事場は共同になっ ...
阿佐ヶ谷・高円寺・書簡演劇・寺山修司
フレンドリック・ブラウンの小説に、ある男に見知らぬ差出人から毎日手紙が届き、それによって次第に人生が変わっていく、というのがある。
私もまた、そうした手紙の差出人になって、平和な家庭に一つの虚構を持ち込んでみたいと考えた。
杉並区・高円寺・地球空洞説 寺山修司
天井桟敷の公演『地球空洞説』は1973年の8月杉並区高円寺南の公園にて街頭劇として上演されていた。
私は、ボルヘスの「伝記集」の愛読者だが、ボルヘスは迷路を解くカギとして、「もう一つの迷路」を指定する。
曲がりくねった ...
高円寺・阿佐ヶ谷・杉並区と寺山修司
市外劇「ノック」の戦略
1975年4月19日、杉並区一帯を用いて上演された市街劇「ノック」はちょっとしたスキャンダルとなった。
当時の新聞を見ると、サンケイ新聞の見出し六段抜きで「天井桟敷演出オーバー、フロ屋さんもびっ ...
寺山修司「書を捨てよ町へ出よう」マームとジプシー
マームとジプシー主宰/演劇作家 藤田貴大
同じ北海道出身というルーツを持っているだけでなく、若手と言われる劇作家の中で、何度も劇に足を運ばせていただいているマームとジプシー
2016年、神奈川芸術劇場で寺山修司戯曲 「 ...
青森県のせむし男 せむし男が赤い月を眺めてつぶやいた
もしも僕が自分のために何かしようと皆に声をかけようものなら たちまち皆は僕を追い出してしまう
例えば僕は 鬼ごっこの鬼だ
僕が追いかけると笑いながら皆は逃げてゆく
子供の頃 赤い夕焼けの路地を追いかけっこしてい ...
青森県のせむし男 さあさあ、お立ち合い!
天井桟敷 紙上呼び込み
さあ、さあ、お立合い!
これからお目にかけますルは、悲しい男の物語
親の因果がこの報い
という口上では始まる見世物は、私の少年時代のあこがれの的であった
七草のころ、天幕 ...
天井桟敷は渋谷から麻布に移った
演劇零年・理性とは二流の狂気である。
桜散る散る癩狂院に 姉さん殺した斧一本 血まみれの書簡の 法医学。
文法違反の詩人と少女が乗り込んだ<阿呆船>銅羅だ!汽笛だ!心臓だ!
渋谷区渋谷3-11 ...