HAIRSTYLE ヘア・スタイル

殺して生かす…それが私の業に課せられた宿命であるからだ。
Makoto Azuma Flower Artist
刻一刻と萎(しお)れゆく花を生けるとき、その花の命をいかに引き出し、際立たせるかという点に意識を集中させる。
オートクチュール、つまり発注を受けてからデッサンを起こし、それに合う素材を仕入れ、花を制作し販売するスタイル。

花のない花屋である。
なぜ、オートクチュールなのか?


花屋は大量に花を仕入れ、陳列し、在庫を抱え、商品価値がなくなったその花々を大量に捨てていく。 しかし私たちは花を捨てたくなかった。自然から素材を借り、生き物を扱っている以上、その命を粗末にすることはできない。

私たちは自然とともに生きている。 そして自然によって生かされている。 それを理解し、自然への尊厳を守りながら謙虚な姿勢で向き合う事でしか自然と人間との共存は図れないのではと思う。

オートクチュールを選択したのは、命のロスを最小限に抑えられる手段だったからである。