武智鉄二 tetsuji takechi

華魁

長崎の遊廓を舞台に、しがない絵草紙売りの男と恋におちる華魁の姿を描く。
谷崎潤一郎の小説『人面疽』の映画化で、脚本、監督は「白日夢(1981)」の武智鉄二、撮影も同作の高田昭がそれぞれ担当。
明治中期、長崎の遊廓。
華魁と呼ばれ、揚羽太夫と人気を二分する菖蒲太夫は、絵草紙を売っている青年、喜助と恋に落ちている。
ある夜、肌のきれいな女を求めて廓にやって来た刺青師の清吉は、相手をした女郎、美代野に魅せられ、クロロホルムで彼女を失神させると、全身に蜘蛛の刺青を彫った。
刺青が評判を呼び、美代野は地獄太夫という華魁に出世する。
一方、清吉は風呂場でチラッと見た菖蒲太夫の肌に魅せられていた。

紅閨夢 kokeimu

谷崎潤一郎の『過酸化マンガン水の夢』『柳湯の事件』より武智鉄二が脚色、監督した風俗ものです。
八月の暑い日、私(作家民野)は、妻と妹を連れてヌード劇場へストリップを見に行った。
「晶子抄」に主演する晶子は、小柄な色白の美人で、私は一遍で好感をもった。
帰りに、中華第一楼に寄って、三人で油っこい料理をつついた。
そこで、私は、以前レッドビーツを食べすぎて、水洗の水が過酸化マンガン水のように赤く染った話をして、妻にたしなめられた。
次に私は、今評判の裸体映画「浴槽の魔女」を観に行くため、舞踊の会に行く妻達と別れた。

暗殺

司馬遼太郎の小説『奇妙なり八郎』の映画化作品です。
丹波哲郎、蜷川幸雄が出演しています。
監督の篠田は、この作品において、和製ヌーヴェルヴァーグを意識したといわれ、立体的な構図や手持ちカメラなど、実験的な演出を実践した。

白日夢 谷崎潤一郎

流行歌手・千枝子と青年画家・倉橋は歯科の診療室で治療を受けていたが、倉橋は麻酔を打たれ夢心地になる。
次第に医師と看護婦の様子が変り、千枝子は医師に犯されてしまった。
ナイトクラブに千枝子を訪ねた倉橋は千枝子に迫る医師の姿を見て、千枝子を救おうと決心。

女 女 女

第二次大戦後、関西で武智歌舞伎を創始、歌舞伎、能、義太夫、オペラなど古典芸能全般に精通し、演出家であり、高度な演劇理論家として多数の著書を遺した巨匠・武智鉄二。
武智は、映画監督としても多くの作品を遺した。
それらの作品は、彼の古典芸能をアレンジした作品が、しばしばスキャンダラスな話題を伴って迎えられたように、公開当時の観客の度胆を抜いた。
どれもエロスの美に満ち、それは当時の表現の限界への挑戦でした。
60年代の日本の性産業を捉えたドキュメンタリー。
ストリッパー、芸者、尼僧、モデル、ソープランド、ゲイボーイなど、さまざまな女性風俗を盗み撮りによるショッキングな映像で綴る。
R-18作品。