1984年 アンアン ヘア・メイク

前髪はキチッと揃えず、斬新なカットで毛先に変化をつける。数本ずつつまんでディップをつけ、太さと長さで動きを出す。
ポニーテールやオールバックも、すべて後ろに流さない。生え際のウブ毛を生かして、チョロッと顔にかかる感じに。

「丸顔で頬骨高いし、オデコも広いから、前髪をカットしたら横幅が強調されて太って見えてしまう」と三角由紀子さん。4年ぐらい前に一度前髪をまっすぐに切って失敗してしまったという経緯があり、それ以来前髪は切らないことにしているとのこと。これは顔の大きさをカバーするために、気になる部分を隠して小さく見せようとしたものの、逆に欠点が目立ってしまったからです。「顔を小さく見せる為に、顔を隠すってことは逆効果になる場合も。顔を出すとか隠すとかいうことより、どんなふうに見せるかが大切」とヘア・アーティストの新堀司さん。
ウブ毛が自然に顔にかかる感じ
ヘアスタイルを考えるとき、あくまで自然に、あまりつくりすぎないほうがいいみたい。前髪をキチッと揃えてカットすれば、横のラインをよけい強調してしまうわけで、顔を小さく見せたつもりが、実は逆効果に。
そんなときは前髪を少しすき気味にしたり、思い切ってギザギザに変化つけてカットします。また、数本ずつつまんでディップをつけ、太さに変化つけたり、チョロッと垂らしたり。これでずいぶん動きが出てきます。
「丸顔で身長も低いから、長い髪にすると重くて暗い感じに見えてしまう」という橋本由紀子さんは今、長くしようと思って伸ばし始めたところ。「背の低い人はショート・ヘアの方がバランスいいけど、どうしても長くしたい場合はポニーテールにするといいい」と新堀さん。そんな時は、全部を後ろに流すんじゃなくて、生え際のウブ毛などを生かして、自然に顔にかかる感じにします。
「髪質が硬くて量も多いので、セミロングでフワッとした女っぽいスタイルにすると顔が太ってみえるの」という森万希子さんは以前にパーマをかけたら、ライオン丸みたいに広がってしまったそうです。髪質は柔らかいけど、「ブルックシールズみたいなスタイルにしたい」という高木ひろみさんも同じような悩み。

ショートの方が小さく見える

今っぽいヘアスタイルってあまりボリュームがありすぎず、かといってペタッと押さえつけたりせず、自然に流れる感じがいい。ショートヘアのほうが、カジュアルで少年ぽく見えるかも知れないけど、時には女っぽいスタイルもしてみたいという人は、髪が横に広がりすぎないように注意したい。
また、クセッ毛で毛先が外にハネルという人は、「ゆるくパーマをかけて、泡状のセットローションなどを手に取って、毛先だけ握るような感じに」と新堀さん。パーマをきつくかけたりするのは逆効果のようです。「首の太さや長さなども関係してくると思うんだけど」と平松慶子さん(27歳・ファッションデザイナー)はするどい。「顔が大きい人や首の短い人はショートヘアの方が、バリエーションつけやすいし、スッキリ見えます。首の太い人は、耳を隠した方がいい」と新堀さん。「だけどこれもケース・バイ・ケース。その人が気に入ったスタイルならそれでいい」と付け加えた。どんなヘアスタイルでも、自分が好きならそれも個性的でいいということ。最近、新しいタイプの水性ポマードも出てるから、いろんなバリエーションが楽しめそう。

大きめのジャケットで少年ぽく、クラシックに演出。リボンとベストで、トップにポイントを持たせて。

「肩幅を広く見せると顔は小さく見えると思うけど、身長に合わせたものを着る必要があるでしょ」と平松慶子さんは、身長とのバランスの難しさを指摘。
「ただ大きければいいってものじゃないのね。やっぱりその人に体に合った大きさのものを選んで着るようにしたい」と柴田さん。
「体も小さいし、なで肩なので男物のジャケットなんか着ると、対照的に顔が小さく見えるみたい」という橋本由紀子さんのようにポイントは上に。

上半身に明るい色使い、全体を統一させたすっきりコーディネート。アクセサリーはポイントになるような大きめのものをひとつ。

メイクとヘアで顔を小さく見せることはできたけど、鏡から離れて全身を映してみるとどうもおかしい。これは全身のバランスがとれていない為です。
「なで肩で肩幅も狭いでしょ。衿なし、肩パッドなしのものを着ると顔が大きく見えてしまう」というのは三角由紀子さん。体型もスリムなうえ首も細いので、スリムでストレートなものは、逆に顔が大きく見えます。「体にピッタリフィットするようなものはさけて、上半身に明るい色を」とスタイリストの柴田かえさん。

ボリュームのある短めのセーターを上に、下はタイトを合わせる。色の組み合わせ、柄の組み合わせも同系を使えば違和感ない。

「首のまわりにあまりゴチャゴチャしてないものを着る」という高木ひろみさんは、胸元もスッキリさせたいようです。でも冬はどんどん重ね着するのんでどうしたらいいか迷ってる様子。「同系色の濃淡で合わせたり、明るい色を使ったりして、色の組み合わせで重苦しくならないように」と柴田さんがアドバイスしてくれました。「衿元が空いてる方が顔もシャープに見える気がする」という森万希子さんのように、衿ぐりはゆったりしたものを。