マリー・アントワネット Marie-Antoinette 2006

古典作品のシナリオを映像化するに際し、現代の合奏を組み合わせて演出する手法はディカプリオ主演の華麗なるギャッツビーでも効果を実証しているが、ちょいと顔見せるコンバースなどプロップの細部までこだわる辺りにソフィア・コッポラの巧妙さが伺え ...
プリシラ The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert

ドラッグクイーンという生き方を認識したのは、まさにこの映画だったか。
のちに東京・並木橋のアマランス ラウンジを知ってからは専から普通の固有名詞。
たまたま人より派手な趣味があって、時々人目を引きすぎる仮装趣味があると ...
sessomatto 1973 セッソ・マット

食べ物狂いを意味するチボ・マットがそのバンド名を考えるに当たって参考にしたのは、この「セッソ・マット」ではないだろうか。
こちらはセックス狂いの意味。
サントラを手掛けたアルマンド・トロヴァヨーリは、自身の作品も映画仕 ...
さらば青春の光 Quadrophenia 1979

このフィルムを見て、東京・梅が丘の”洋服の並木”でモッズスーツを仕立てた若者は一体どれほどに至るのだろう。
自分もそのうちの一人だが、今もなおスタイリッシュにして狂った青い春が何処に美しいのかを原作者ビート・タウンゼントは伝え ...
チャーリーとチョコレート工場 CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY

ティム・バートン作品のサウンドはその世界観を忠実に再現するが、独特さゆえ音単体としても非常に魅力的だ。
今作でいうウィリー・ウォンカの工場で働くウンバ・ルンパの音楽は、世界のどこでもない民族音楽として塑像力を掻き立てられ、既成 ...
Mask 1994 マスク

できることなら劇伴ではなく、キャメロン・ディアスの美しさについて語りたい。
それが「マスク」だ。
しかし、サントラのクレジットにロイヤル・クラウン・レビューを発見したら、その審美眼の高さに唸らざるを得ない。
ブ ...
Stranger Than Paradise 1984 ストレンジャー・ザン・パラダイス

何も起こらない日常はとても奇妙だ。
ましてやそれが映画になるなんて。
とはいえ、オフビートの金字塔として「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は未だに威光を放ち、果ては「ユニクロ」のTシャツにまで描かれた。
この ...
Babel 2006 バベル

言わずと知れたバベルの塔は、人間が神に近づき過ぎた行為で別々の言葉を与えられたという逸話を持つ。
なぞらえて、モロッコ、カリフォルニア、ティファナ、東京と4つの都市を跨いで言の葉も心も通じない世界がストレンジに交錯していくスト ...
Lost Highway ロスト・ハイウェイ 1997

突然自分の目の前に白塗りの顔の男が現れて謎かけすることも、自分の生活がビデオテープに収められることも、一般的には稀有な体験だ。
デヴィット・リンチ監督は狂気を伴って非現実の世界に誘うわけだが、それを演出する音楽もまた秀逸だ。 ...
Naked Lunch 1992 裸のランチ

ビートニクの名作「裸のランチ」をモチーフにクローネンバーグが映画化ということで期待も高まるが、実際分かり易さは2013年日本公開の「オンザ・ロード」がぐんと上だろう。
明確ななあらすじもなく、オーネット・コールマンが相も変わら ...