デヴィッド・リンチ David Lynch

プレモニションズ・フォローイング・アン・イビル・ディード

ダークンド・ルーム

デヴィッド・リンチの展覧会”DARKENED ROOM”展が、2010年8月7日から10月9日まで、コムデギャルソンが運営する大阪・南船場のアートスペース「Six」で開催された。
米国モンタナ州出身の映画監督、脚本家、プロデューサーとして不動の地位を確立し、画家としてもユニークな存在として知られるデヴィッド・リンチ。川久保玲が会場構成を手がける本展では、そのデヴィッド・リンチを象徴する、実験的な短編映画を上映。これらの作品は、「Six」のためにリンチ自らセレクトしたという。

バレリーナ

アブサーダ

『あなたにとって映画館とは』をテーマに、世界の名匠たちが【3分間】で撮ったオムニバスの一遍。カンヌ国際映画祭の60回目の開催を記念し製作された。

アンプティー

グランドマザー

「最初の脚本は、難解で凝縮されたものだった。脚本の形式など持たず、文章がずらっと並んでいるだけ。いくつかの文節に分かれている。映画のシーンみたいに。そして友達のブシュネルが僕の人生を一転させた。ブシュネルの奥さんのトッツィーから、アメリカ映画協会の存在を知らされ、ワシントンに本部があることも知った。そして奨学金を授与するプログラムがあり、申し込め、と薦められた。条件は自分が制作したい課題の、試作品と脚本を提出すること。奨学金は四半期ごとに募集してるので、前期に申し込んだグループのがいる。待っている間に、最初の受賞者たちが決まった。経験豊富なアンダーグラウンドのフィルムメーカー達だ。その時、僕にチャンスは無いと思った。ある雨の午後、電話が鳴った。電話は毎日鳴るが、その時の音を覚えている。この電話が、僕の人生を変えた。映画制作の奨学金が、授与された。」(デイヴィッド・リンチ談)

アルファベット

実写、コマ撮り、手書きアニメーション、コラージュアニメーション、様々な手法が使われ制作された短編映像。不可解かつグロテスクな映像、不安を煽る音楽、奇怪なセンスは、後に制作される「イレイザーへッド(Eraserhead )」(1976年)へと受け継がれる。
悪夢を作り出す天才、デヴィッド・リンチの才能の本質はこの頃から垣間見える。

アブサード・インカウンター・ウィズ・フィアー

メン・ゲッティング・シック

「ペンシルバニアの美術学校に通っていた時のことだ。毎年、学年末に自由課題の絵画や彫刻のコンテストがあった。ある年のこと、私は黒地を課題として、庭の絵を…緑色の庭の絵を描いていた。黒地のバックから緑の植物が現れるんだ。分かるかな、深緑が黒地から出てくるんだ。絵を凝視している時、風の音が聞こえ、絵が微妙に動くのを感じた。この時ひらめいたんだ。動く絵に音をつけたらどうなるかって。そこで造形されたスクリーンに動画を映写させるアイデアを、自由課題のコンテストに出した。そこで2畳ほどの大きさのスクリーンを作り、そこに私が制作した1分ほどの動画を映写させ、サイレンをループした音も一緒に鳴らした。」(デイヴィッド・リンチ談)

デヴィッド・キース・リンチ David Keith Lynch

モノを表現するには、自分の主観が必要だと思います。
世の中を見てみると、多くの情報にあふれている。
毎日が吐き出されるごみのように、情報の過多です。
逆に一つのことをじっくりと観察する時間が、持てない気がします。
みんな自分の外の情報にばかり目を向けて、自分の中を観られなくなっている。
多くの人が自分は、何がしたいか?
何がむいているか?
何が正しいのか?
目を背けている気がする。
ぼく自身、美容師を生業として長くなるが、毎日が自問自答です。
大学生などは2年生で、就職希望の企業にインターンに行く人も多い。
学生は研究や学業、スポーツ、バイト、友人関係など、人生の肥しを多く含む土台となる時期に、企業の経済という中に早くに身を投じるのは、疑問です。
社会がいけないのでしょう。
日本の独特の価値観に、「付和雷同」があります。
自分の主義主張を持たず、人の言動につられて行動すること。
深く考えず、他人の意見に簡単に同調すること。
日本の文化は農耕民族で長くを培いました。
江戸時代までは、税金は「米」です。
つまり、米を納められないことは、死活問題。
それぞれ、農地を与えられ、四季を通し、種まき、雑草の排除、肥料の与えるタイミング、刈り入れなど、約束が多くありました。
逆にいえば、個人の「独自性」より「協調性」を求められました。
人と違うことをすると、「村八分」。
更迭。
左遷ですね。
長いものには巻かれろ。
火のないところに、煙は立たない。
など、今の国際社会には邪魔な価値観。
良い部分は、チームプレイに徹することができる。
野球、サッカー、トヨタ、日産などチームプレイは得意。
デザイン、アイデア、個人技、表現は苦手でしょう。
日本の雑誌、ファッションは世界的に見ても、独自性、未来へのクリエイションが低下しています。
アジアの現代美術は、ほとんど東京ではなく、シンガポールや香港でしょう。
今こそ、鎖国時代に培った日本独自の文化に、世界に目を向けたクリエイションをプラスすれば、経済、文化が花開くと思っています。

デヴィッド・キース・リンチ David Keith Lynch

カルト的人気のあるデヴィット・リンチ
ストーリーは難解ですが、ナルシズム全開キャスト
フリークス、猟奇的趣向、オカルティズムへの傾斜など、キッチュでアイコニックな作品造り