1980年代 ファッションに興味あります。

 雑誌 「an・an」 1984.12.14

ファッションに興味は十分あるんだけど、流行最先端の服はちょっとしんどいな、でもやっぱりそこそこは流行の匂いもさせて。
こんな風に思っている人って、かなりいっぱいいるんじゃないかな。
英文科2年に在学中の植木さんもそんなひとり。
「学校に行くときは今日みたいにラフな格好、遊びに出掛ける時は「MOGA」「ISSEY」といったブランド物を着たりすることもあるけれど。でも、基本的にそんなに冒険をするっていう方ではないですね」。

ブランドモノでも着やすい服、シルエットがプレーンなものや色も茶系やモスグリーン、グレーといった合わせやすいものばかり目が行ってなかなかオシャレの幅が広がらない。
「例えばスーツみたいにまとまりがあって難しくない服なら結構あります。赤とかきれいな原色も好きなんだけど、うまく色合わせができないなと思って、ついつい敬遠してしまうんです」。
でも、ちょっと待って。
型がシンプルだからこそ、ちょっと変化をつけるだけで、ぐっと印象が変わってくる。
色合わせだって、そんなに思ってるほど難しいことじゃない。
「今一番気に入っているコーディネートが一つあるんです。小豆色のアンチックのニットのブラウスに「ISSEY」の紺のウールスカート。このスカートはデザインっぽくて自分にはちょっと無理と思っていたんだけれど、合わせてみたら意外としっくり。友達もみんな、可愛いね、って言ってくれんで最近はもっぱらこればかり」。
そうです、物は試し。
シンプルな服同士でも、組み合わせ次第でいくつもの表情を見せてくれる。
というワケで、植木さんに挑戦してもらったコーディネート。
決して過激ではないけれど、十分今風なものばかり。
黒のロングジャケットにスリムなパンツ、ボンバーにタイトなどなど。

「こんなジャケットは一回着たら、もうみんなに覚えられちゃってもう終わり、なんて思っていたけど、下ものを変えただけでずいぶん雰囲気が変わってくるんですね。ボンバーにしても、コーディネート次第で、こんなにドレッシーな感じになるなんて」
ドレッシーなものをカジュアルに、カジュアルなものもドレッシーに、こんなコーディネートのコツを覚えれば、おしゃれの幅、ぐんと広がることうけあい。