若松孝二 wakamatsu koji

赤軍-PFLP・世界戦争宣言Red Army/PFLP: Declaration of World War

打倒帝国主義、打倒シオニストを掲げ武力闘争を実践するPFLP(パレスチナ解放戦線)と合流し、ゲリラたちの日常をカメラに収めることに成功した。
本作はその取材フィルムやインタビューをもとに、赤軍派のプロパガンダ映画として製作され全国各地で巡回上映された。
作中ではパレスチナ人たちを、軍事が生活そのものである武力革命の実践者ととらえ、銃を手に全世界の革命戦士たちと共闘し武装闘争を展開せよと訴えられる。

性賊 セックスジャック Sex Jack

「政治の季節」が収束に向かう時代の停滞感はますます濃厚になり、学生運動家たちはなにひとつ行動に移せないまま、手当たりしだいシンパの女の子を押し倒し、バラ色の連帯と称するセックスにふけるだけ。
メンバーの前では激烈なアジを飛ばすリーダーも、逮捕されたとたんに寝返って、平然と仲間を売り飛ばすていたらく。
疑心暗鬼と乱交が空転する日々を送る彼らを尻目に、世間ではどこのセクトの仕業でもない交番襲撃や爆破テロ、ついには首相暗殺に至る過激な直接行動が、淡々と実行されていく……。

 水のないプール A POOL WIHTOUT WATER

昼は地下鉄の駅員としてキップ切りや駅の清掃をし、夜は口やかましい女房の相手と、単調で退屈な日々を送るしがない男。
男はある日、息子が昆虫の標本作りで使う注射器を見てあることを思いつく。

新宿マッド Shinjuku Mad

劇団の芝居を志していた青年が、ある日アパートの一室にて恋人の目の前で殺害される。
一人息子を失った青年の父が、警察の冷たい扱いに意を決して、たったひとりでこの殺害半の正体をつきとめるために、1970年の新宿の街に聞き込みにまわる。そのうち、公園で歌うヒッピーの若者から、「あいつは新宿の街を売ったから殺された、殺ったのは、新宿マッドだ」という言葉を得る。

処女ゲバゲバ Violent Virgin

「ここは日も射さなきゃ人の声もきこえない、真っ暗闇の地下室だったんだ!」二人の男女(ホシとハナコ)が駆け落ちに失敗し、奇妙な処刑の儀式のために荒野へと連行されるが、それを彷徨いながらなんとか「生き延び」た男は、逆に儀式と称した内ゲバ的な殺人ゲームに興じるボス一味を皆殺しにしていく。