グザヴィエ・ドラン Xavier Dolan

エレファント・ソング Elephant Song

謎の失踪を遂げた同僚を捜そうとする、精神科医のグリーン(ブルース・グリーンウッド)。
彼は同僚の姿を最後に見たという患者マイケル(グザヴィエ・ドラン)から、詳しい話を聞くことにする。象に異常な執着を見せる彼と対面し、失踪事件を解決する手掛かりをつかもうとするグリーンだったが……。

たかが世界の終わり Juste la fin du monde

劇作家として成功したルイ(ギャスパー・ウリエル)は、家族に自分の死が近いことを伝えるために12年ぶりに里帰りする。
母マルティーヌ(ナタリー・バイ)は息子の好物をテーブルに並べ、幼少期に会ったきりの兄の顔が浮かばない妹シュザンヌ(レア・セドゥ)もソワソワして待っていた。
さらに兄アントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)とその妻カトリーヌ(マリオン・コティヤール)も同席していて……。

マミー Mommy

15歳の息子スティーヴを育てる、気の強いシングルマザーのダイアン。
スティーブはADHD(多動性障害)のため情緒も不安定で、普段は知的で純朴だが、一度スイッチが入ると攻撃的な性格になってしまう。
そんな息子との生活に右往左往していたダイアンだが、隣家に住む引きこもりがちな女性教師カイラと親しくなったことから、少しずつ日々に変化が訪れる。
精神的ストレスから吃音に苦しみ休職中だったカイラも、スティーブの家庭教師を買って出ることで快方に向かっていくが……。

トム・アット・ザ・ファーム Tom à la ferme

恋人のギョームが亡くなり悲しみに暮れるトムは、葬儀に参列するために彼の実家の農場へ向かう。
ギョームの母親はトムについて何も知らず、息子の恋人はサラという女性だと思い込んでいた。
ギョームの兄・フランシスは、トムとギョームの関係について嘘をつくよう強要。
力に訴え言うことをきかせるフランシスに反発するトムだが、息子を失った悲しみに打ちのめされる母親を思いやり、ギョームの友人として振る舞った。

わたしはロランス Laurence Anyways

カナダ・モントリオール。
国語教師をしながら小説を書いているロランスは、30歳の誕生日を迎え、交際相手のフレッドにある告白をする。
それは、自分の身体の性に違和感を持っており女性になりたいと思っているということだった。
この告白にショックを受けたフレッドは、これまでに二人が築いてきたものが偽りであるかのように思えてしまい、ロランスを非難する。

胸騒ぎの恋人 Les amours imaginaires

フランシス(グザヴィエ・ドラン)が好きになった人は、親友マリーも思いを寄せるニコラという青年。
二人ともニコラに首ったけなのに相手の内心を探るために悪口を言ったり、ニコラの思わせぶりな態度にどぎまぎしたり。
複雑な三角関係の中、片思いの歯がゆさや嫉妬心に身もだえする……。

マイ・マザー Jai tue ma mere

17歳の少年ユベール・ミネリ(グザヴィエ・ドラン)はカナダ・ケベック州の何の変哲もない町でごく普通に暮らしていたが、ここのところ自分の母親が疎ましく思えてどうしようもなかった。
洋服やインテリアを選ぶセンスのなさ、口元には食べカスをつけ、口を開けば小言ばかりと、母親の一挙手一投足が癪に触っていた。
母親を受け入れ難く思う一方、理由もなく苛立ってしまう自分にも嫌気がさしていた。

グザヴィエ・ドラン Xavier Dolan

1989年、カナダのケベック州モントリオールで生まれる。
父親は俳優のマヌエル・タドロス。
幼少期より子役として映画やテレビ番組に出演。
2009年に『マイ・マザー』で監督・脚本家としてデビュー。
同作は第62回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、20カ国に売却された。
長編映画2作目『胸騒ぎの恋人』は2010年に第63回カンヌ国際映画祭のある視点部門で上映。
長編映画3作目『わたしはロランス』もまた2012年の第65回カンヌ国際映画祭のある視点部門で上映、クィア・パルムを受賞した。