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共同トイレを掃除するという条件で家賃を五千円引いて貰い、二万五千円のアパートに住んでいた。
だが他人が汚した便所を掃除するのは精神的に苦しかった。
時折掃除した翌日に汚されていたりすると、これは隣人の汚物攻撃なのではないかと猜疑心が高まった。
ある夜、泥酔して帰った僕はそれまでそんな習慣は一切無かったのに、なぜか一人で落語を喋り始めてしまった。
普段絶対対人には見せない姿だ。
疲れていたのかもしれない。
すると隣から「うるせ~!」と怒号が響いた。
誰にも求められていない落語を突然はじめ、大人に本気で叱られた。
究極の羞恥と便所の件が混じりあい、酷く腹が立った。
数日後、遊びに来た後輩と話していると、隣から「うるせ~!」と強く壁を叩かれた。
その瞬間、僕の中で蓄積された怒りが爆発した。
僕は側にあった雑誌を手に取り「なんじゃコラー!」と叫びながら壁に向かって力いっぱい投げていた。
所が僕の怒りに反し、開いた雑誌は羽をバサバサするようにもたつき、壁にさえ届かなかった。
笑いをこらえた後輩が窓を開けて中通りを見ていた。