ニコラ・フィリベール ,すべての些細な事柄 La moindre des choses (1997)
高名な哲学者故フェリックス・ガタリと精神科医ジャン・ウーリーが53年に設立した、フランスにある独特の治療法で知られる精神科クリニック、ラ・ボルドの住人たちにカメラを向けた、感動的なドキュメンタリー。
監督・編集は「音のない世界で」のニコラ・フィリベール。
製作はセルジュ・ラルー。
撮影はカテル・ジアンとフィリベール。
音楽はアンドレ・ジルー。
録音はジュリアン・クロケ。
フランス・ロワール渓谷近くのブロワの森の中にあるラ・ボルド精神科診療所は、誰もが敷地に自由に出入りでき、患者達が自分のリズムで日々を送るユニークなクリニック。
そこのちょっとした出来事や些細な事柄を綴った作品。
パリでは半年間のロングランを記録した作品。
心を病んだ人たちが静かに暮らしているラ・ボルド。
観客を募って催される毎年恒例の上演会で、今年はゴンブローヴィチの『オペレッタ』の上演が決まり、準備が始まる。
演出を担当するのは看護人をしている女優のマリー・レディエで、まだ出来上がっていない屋外の会場で、台本を見ながらの練習が行われる。
上演当日。晴れわたった空の下、たくさんの観客が集まり、舞台は無事大成功。
翌日からはラ・ボルドにまた静けさが戻り、平穏な日々が過ぎていく。