僕の大好きなフランス人感
僕は昔から理由もなく、フランス人の画家、アンリ・マティスや彫刻家ジャコメッティ(スイス生まれ)や哲学者ジャン=ポール・サルトルを読んでみたり、映画監督ジャン=リュック・ゴダールを見たりしていました。
シュルレアリスムにあこがれ、ピカソのキュビズムに夢を見て、アルチュール・ランボーの詩集を夜遅くまで読んでいました。
美容師になってからもその想いは変わりまんでしたが、日本のカット技術はイギリス人のヴィダルサッスーンという人物の影響を多く受けて今に至っています。
第二次世界大戦を経験した世界は現代社会という大きな価値転換を迫られていきます。
ラジオやテレビの普及がアメリカ・西欧主流の流れが起きました。
「女性も男性と同じ仕事ができる」という実績をもとに女性の社会的自立が、ウーマン・リブの運動が世界を包み込みます。
コルセットに縛られ実生活に合う洋服が求められココシャネルのようなデザイナーが生まれ、セット中心のヘアスタイルより快適なものがニーズの中心に移ります。
「ウォッシュ&ゴー」というキャッチフレーズを掲げサッスーンは鋏とコームでヘアデザインを造形するという価値観を世の中に打ち出します。
ファッションにもイギリスのスタンダードに綺麗に着るという文化や感性をもとにヘアスタイルがつくられますが、フランスにもその流れは届きますがフランス人の感性は「きれいに着たものを崩した美しさ」から造られるヘアスタイルはイギリスのものとは異なってきます。
僕が美容師を志した1990年代の日本はまだまだ美容室のことを「パーマ屋さん」」という愛称で言葉にしていた人が多くいました。
「カット&ブロー」という鋏でしっかり形を創り上げ、ブローで仕上げる流れがありました。
自分も最初に働いた美容室はイギリスのサッスーンの流れの美容室でしたが、自分の居心地の良さがフランス的なものに変化をして美容室を移ることになりました。
フランス人の装い方、暮らし方、生き方の素敵なルール。
犬の散歩でも、ファッションは妥協しないわ
お気に入りの服しか持たな いのがルール。
部屋でも犬の散歩のときも、おしゃれ をするのは当然のことね。
僕たち年上好き
友だちの中には年下好きもい るけど、フィーリングが合っ て楽しい時間が過ごせる人な ら年齢なんて関係ないね。
ランジェリーは、セクシーさにこだわるわ
最近は機能性の高さも人気ね。 でも、下着はいくつになっても女らしさを大切に選びたいわ。
当然、仕事よりプライベート優先です。
残業はしないし、バカンスもきっち りとるのがフランス! 仕事は人生 を楽しむツールのひとつだからね。
空気なんて読まないで、 自分の意見はハッキリ言うよ
日本人はあまり主張しない 印象だね。
フランスは仕事 はもちろん、どんな時も意 思表示をするのが普通さ。
白髪もシワも、なんで隠すの?
年齢を重ねて生まれる個性があ ると思うの。シワや白髪もそう、 ありのままを大事にしたいわ。
モノでも人でも、 年を重ねたものは 素敵ね
磨いて育てる家や家具、経 験を積んで成熟した人・・・・・・・ エイジングを楽しむのがフ ランス人は上手だと思う。
冷凍食品をよく使うわ、手抜きではなく合理的だから
料理は合理的に賢く作るのがフランス流よ。
だから冷凍食品使いは お手の物です!
彼は18歳年下だけど、 それが何か?
最初年齢は気になったけ ど今はまったく無し! 足りないところを補い合 える大切な存在ね。
自由でかっこよく、自分のスタイルを持ち、おしゃれを楽しむ。
そんなフランス人の暮らし方、生き方に関心をもつクウネル世代。
もちろんフランス流の考え方がすべて正しいわけではないけれど、私たちとは違った価値観や常識を知れば、毎日の生活やこれからの生き方のヒントが見つかるかもしれません!
エキサイティングを好む フランス人。 ルーティンを好む日本人。
店のオーナーになり、日本人従業員と接するようにな ったクロエさんが驚いたこととは。
「厨房で素材のカ ットを教えた人に、上手に切れるようになってきたし、 同じ作業ばかりでは飽きるだろうと『来週はお肉の焼き方を教える』と提案。
その途端顔を曇らせたのでな んでかな?と思ったら「できるか不安です』と。
同じことをフランス人従業員に言うと『カットに飽きていたから楽しみ〜』と」。
フランス人はできるかどうか のリスクより、新しい仕事での興奮を好みます。
一方 で日本人は完璧なスキルを目指したいよう。
「次々新しい指示が出るとプレッシャーに感じると言われて驚きました。すべての日本人がこうではありませんが、 フランス人がルーティンに飽きるのは確か」
上司の指示に『はい』と日本人。『どうして?』とフランス人。
来日直後、フランス料理店で働いた時のこと。
「シェフの指示にひたすら「はい!」と返事をして従うスタ ッフを見て、なんだかold fashionedだなと思いまし た」。
フランス人は返事よりまず「なぜそれをやるの か」理由を問うことから始まるといいます。
「徒弟制 度とまでは言わないけど、もっとコミュニケーション が取れる関係の方が良いのでは?」。
日本もコンプラ イアンスによって、変わりつつあると言うけれど。
フランス人の仕事は スピード感。 日本人はゆっくり、丁寧。
「フランス人は就業時間内に仕事を終えようと、もの すごいスピードで仕事をこなす」。
でも時に仕事が雑になることも。
「残業を厭わず、ミスをよしとしない 日本人はゆっくり、丁寧。その分スピードは遅いけど」
フランス人はトライ&エラーを繰り返 し、ゴールを目指すが、日本人はミス せず進もうとする。どちらも良し悪し。
日本人はルールを守れる。フランス人は自由。
コロナ柄では、規制下における世界中の国民性や国の考えの違いが如実に現れました。
「日本人は我慢でき る国民性。そして遠慮をする。フランス人の優先事項 は“自分”だから、マスクをつけてと言われても、理由 をつけて従わない人が多かった」。
クロエさんは日本 に住むようになり、ますますそれを感じています。
「信号が赤でも車がいなければフランス人は渡ります。 日本人は時にそこまで?と思うほどルールを守ります」
日本はサービスの国。フランスは慢性人手不足。
思考や国民性とは別に、環境が仕事に与える影響もあると言います。
「日本は役所も郵便局も、人がたくさん働いています。フランスは話しかけようにも人がいない。国民性ももちろんだけど、そんな職場環境も日本人とフランス人の働き方の違いに思えることも」
自由に発言する フランス人。 遠慮して黙る日本人。
来日して職を得たフランス語学校でクリステルさんが 驚いたのは「フランス語を習いにきている人たちなの に「質問は?」と聞くと全員が黙って下を向くこと。
とにかく驚きました。
その後、変な質問をするのが恥ずかしく、遠慮していたとわかりましたが、最初はなんて失礼!と」。
今では日仏の性格の違いを把握し、 おもしろいなと思えるそう。
「フランス人は会話の途 中でも言いたいことがあると違って発言します。日本人は他人が話し終わってから話し始める。だからフラ ンス人の会議は、時に全員がしゃべりだして本当にうるさい」。
日本人にとって人の話が終わってからしゃべるのは、会話のマナーのひとつ。でもフランス人から見ると“無用な遠慮”に見えることもあるようです。
仕事は人生を楽しむツールのフランス人。仕事が生き甲斐の日本人。
「我が家では会社員の夫は、がんばっても休暇は長くて1週間。だから一緒にフランスに帰省できないのが 悩み。仕事を楽しむという意味ではフランス人も日本人も一緒だけど、フランス人にとって”仕事は人生を楽しむためのツール”。でも日本人は仕事が生き甲斐”という人が多い気がします」。
仕事優先は、日本という 社会の風潮かもしれません。さらに「日本は祝日が多いから、まとめて休むのがむずかしいのでは?」と。
アンナ・カリーナ 気狂いピエロ Anna Karina pierrot-le-fou-1965
ブリジットバルドー 素直な悪女 Brigitte Bardot et Dieu…Crea la femme
マリーラフォレ 太陽がいっぱい Marie Laforet Plein soleil
トラブル発生! 解決を諦めない日本人。 『仕方ないよ』とフランス人。
「フランス人は悩まずに仕事を進めるので、進行が早 い。日本人は悩みながら進めるから、確実だけど遅い。 上司の判断ひとつをとっても、フランス人はとにかく 早い」。
これはクロエさんと同じ意見。
でもクリステ ルさんは「トラブルや仕事でわからないことがあると きは日本人に相談します。
じっくり解決策を探ってく れるから。
フランス人はできない、仕方ないと認めて しまう」。
さて自分の職場はどちらがいいのやら。
バカンス先で 予定を楽しむ日本人。 時間を楽しむフランス人。
「フランスの夏休みは長いから、予定を決めずゆった り過ごせる。日本は休みが短く、あれもこれも詰め込 みがち」。
海外のホテルで朝早くに観光にでかける日 本人と、プールサイドで読書を楽しむ欧米人は対照的。
毎日予定がびっしりのバカンスでは、かえって疲れてしま うのでは?もっと時間を楽しむべきでは?
最優先は、自分というフランス人。 規律重視の日本人。
「話をするとき、フランス人は『私はこうしたい」と話す。日本人は「どう思いますか」と話す。
フランス人はとにかく“自由”」。
一番自由なのは恋愛だと言います。
その際も大切なのは自分だから、離婚も多いそう。
「郵便局の窓口でも、従業員同士が楽しくおしゃべりしているときは、客に「ちょっと待って」と平気でいう。悪気はないんです。自由なんです」。
他人や規律を気にする日本人ではあり得ない風景と言えそう。
de Claude Miller (1985) Charlotte Gainsbourg なまいきシャルロット シャルロット・ゲンズブール
悲しみよこんにちは ジーンセバーグBonjour Tristesse Jean Seberg
僕は日本人とはちょっと違うライフスタイルに憧れ、映画を見て詩を読んで美術館に通ってきました。
そんなヘアスタイルを作り続けたいと思っています。