美容師ブログ 第1章 美容学校からインターン時代まで
高円寺で2011年にオープンして12年目になる、美容師の鈴木です。
僕の働く美容室が高円寺と阿佐ヶ谷の中間点にあり、通りすがり気になっている方が「どんな美容師さんなんだろう?」という疑問の助けになったり、美容師育成スクールの先生時代の経験から美容師を目指す人のヒントになれば幸いです。
1990年代の中野早稲田通り沿いにある窪田理美容専門学校に入学します。
当時、学校は1年制で4月に入学し、次の年には就職するという今にして思うと短い期間の学生時代です。
住まいは学校と同じ中野区の野方という地域に住んでいました。
この住まいは、環七沿いにありその後、豪徳寺でインターン(美容師1年生)から2,3年住んでいました。
入学式は中野サンプラザだったと思います。
この時代の美容師という職業に就く道には日本では国家資格が必要です。
国家試験には筆記試験と実技試験の2つ合格する必要があります。
美容師国家試験には、マークシート方式の「学科」と2種類の「実技」の2課目があり、実技試験中には、服装や爪、消毒液などの「衛生管理」も審査されます。
実技
- 第一課題「カッティング」
- 第二課題「オールウェーブセッティング」または、「ワインディング」
学科
- 関係法則・制度
- 衛生管理
- 保健
- 香粧品化学
- 美容技術理論
- 文化論
- 運営管理
学校を卒業する時点では無免許の状態です。
勤める美容室は管轄する都道府県の保健所に預かるインターン生を入店させ技術を習得する義務を負う事の報告をします。
その後、試験を受けて合格して美容師になります。
1990年代の美容学校時代の話し。
当時の窪田理美容専門学校は美容科がAクラスからHクラスまで8クラス、理容科が2クラスありました。
現在は理容科はありません。
自分はHクラスでした。
当時男性の美容師はまだ珍しい時代です。
1クラス40人くらいで、男女比率が男性が少ない7人くらいの比率でした。
美容学校が1年間で卒業ということもあり、あまり真剣に勉強に励んだ思い出がありません。
当時は国家試験にヘアカットの実技試験はありません。
左のワインディング、右のオールウェイブ、2つの実技と学科を勉強します。
美容学校在学中、鋏を持ったのは数回でした。
着付け、ネイルなどの実技授業もありました。
確か、入学したその年、11月12月くらいになると就職活動に入ります。
当時の就活は有名店(カリスマ美容師ブーム時代の話)みたいな、生徒が自分で入店したい美容室を探すか、僕のような先生の推薦!?みたいに入店するか選ぶようでした。
僕の美容学校時代の学生生活はあまり熱心なものではなく、正直早く卒業したかった。
授業は衛生管理 ・保健 ・香粧品化学 ・美容技術理論 などありますが、僕は昔からデッサンが好きで造形(デッサン)の授業で課題が出ると友人3,4人の課題を喜んで引き受けていた。
偶然、今の高円寺のお店には僕の母校である窪田理美容専門学校の食堂で働いている方がお客様としています(奇遇)。
この学校は東京の美容学校で唯一学内に女子寮が付随しています。
そこには食堂があり、学生は昼食を取る事ができ女子寮の人は朝晩食事ができる素晴らしいロケーションです。
僕の時代には若い男女間でよくある話ですが、女子寮に男性が泊ってしまい停学処分を受ける生徒がいましたが、お客様にその話をすると今現在でも年に数件あるそうです。
時代は繰り返す。。。
住まいの野方は近くに環状七号線があり、美容学生時代から通っていた「野方ホープ本店」は今も通っています。
学生時代は友達とお店に行くと、チャーシュー盛りだくさんの「チャーシューラーメン」は学生時代の自分には値段が高く、普通のラーメンを食べていた。
しかし、普通のラーメンを注文したお腹をすかしたお金のない学生時代の僕たちに、黙ってチャーシュー麵を出してきて「たくさん食べな!」といって喜ばしてくれたこともあった。
本当にいい思い出です。
環七沿いにある当時のサンクスは「ファミリーマート」に代わり、よく来店された大槻ケンヂ(筋肉少女帯)が僕が東京で会う初めての芸能人だった。
僕は北海道でロックが好きで筋肉少女帯はデモテープで聞いていた。
当時の東京にはまだ「屋台」が多く見かけられたものです。
今の東京は衛生面で保健所の申請は難しいらしく、ほとんど見かけない。
環七の野方の橋の上では当時「屋台」があり、そこのおじさんが両替に来ていました。
昔のコンビニには両替だけに来店する人が多く、「両替お断り」の紙が張り出されていた。
しかし、オーナーの方にこの屋台のおじさんだけは両替をしてあげて!と言われていた。
中野の野方は東京と言っても、昔の風情を残していてとても居心地がいい。
オーナーの娘さんが歳が近かったこともあり、一緒にコンビニでアルバイトに入ることがありましたが、美容師になってパーマやカラーなどのモデルさんとして来てもらい本当に感謝しかありません。
体育会系体質の美容業界の洗礼を受ける(ほぼ軍隊)
美容学校を卒業しますが、入社前に伊豆で合宿が行われます。
(無給で今ではコンプライアンス的に無理でしょう。社会人としての根性叩き。)
ここで、これからの美容師人生がどのようなものになるかを知らされることになります。
美容師さんの一般的なイメージは楽しくて、明るくて、フレンドリーなものでしょうが全くの逆で、上下関係が厳しく、労働基準法も怪しく長時間労働、低賃金、少ない休日で昭和の体育会系体質がそのまま残っている状況でした。
僕は独立する前の20年間、3,4店舗の美容室を経験しますが全て同じような職場状況でした。
今でも後輩などの美容師さんから話を聞きますが、多少の違いはあれ改善されているとは思えない。
早く、改善を望んでいます。
次からはインターンがいよいよ始まります。