ジャン=ピエール・ジュネ Jean-Pierre Jenet

デリカテッセン Delicatessen

核戦争から15年、生き残りの人々が食料をあさり合う荒廃したパリの街はずれ、職を求めてルイゾンはこのデリカテッセン(肉屋)にやってきた。
ところが店の主人はこうしてカモをおびき寄せては肉にしてしまう恐しい男。
その娘で心優しいジュリーは一目見て気のいいルイゾンに好意を寄せ、またしても犠牲者が増えるのが堪まらず、反体制の菜食主義者たる“地底人”たちと手を結んで秘かにルイゾン救出作戦に乗り出す。
ところでこのデリカテッセンの上はアパルトマンになっているのだが、住人たちは各れ劣らぬ強者揃い。
今や遅しとルイゾンの肉を待ち受けているだけに、突然侵入してきた地底人たちと上を下への大騒ぎ。

ロスト・チルドレン La Cité des enfants perdus

近未来の半ば朽ちかけたような港町に子供の失踪事件が続発。
実は町に横行する一つ目教団が、沖合に浮かぶ奇妙な実験室に住む天才クローン人間クランクに夢を見させるため、誘拐していたのだ。
サーカスの怪力男ワンの幼い弟ダンレーも誘拐される。
ワンは9歳のミエット率いる孤児の泥棒団に出会う。

エイリアン4 Alien: Resurrection

名作SFシリーズの第4作。
前作「エイリアン3」から200年後を舞台に、リプリーとエイリアンの最後の戦いが描かれる。
惑星フィオリーナで溶鉱炉に消えたリプリーだったが、エイリアンの軍事利用をたくらむペレズ将軍率いる一派が、残されていたDNAからクローンを生み出し、リプリーは復活する。
リプリーの体内に宿っていたエイリアンをもとに宇宙船オリガ号の中で養殖が開始されるが、成長したエイリアンが脱走。
オリガ号は緊急事態のため地球へ向けて動き出してしまう。
リプリーはエイリアンを地球に降ろすまいと戦うが……。
「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」など独創的なビジュアルセンスで知られるフランス人監督ジャン=ピエール・ジュネがメガホンをとった。
タイトルバックやエンディングのカットなどが異なる数分長い完全版も03年に発表されているが、ジュネ自身は「劇場公開版がディレクターズ・カット」と明言している。

アメリ Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain

神経質な両親の元で育ち、空想の中で遊ぶのとこっそり悪戯するのが得意になったアメリ。
22歳になり、モンマルトルのカフェで働く彼女は、青年ニノに出会って心ときめくが、どうしたらいいか分からず悪戯を仕掛ける。
「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」のジュネ&キャロのジュネ単独の初長編。
セット撮影の多かった彼が、今回はロケ撮影で後加工した作り込んだ映像を展開。
美術は「ロスト・チルドレン」のアリーヌ・ボネット。

ロング・エンゲージメント Un long dimanche de fiançailles

「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督が、同作で人気女優となったオドレイ・トトゥを再び主演に迎えた最新作。
第1次世界大戦下のフランス。
脚が不自由なマチルドの元に、出征した恋人マネクの死亡通知が届くが、彼の死を信じられないマチルドは、私立探偵を雇い、マネクの戦地での足取りを探っていく。
ジョディ・フォスターがフランス語で出演、音楽はデビッド・リンチ監督作で知られるアンジェロ・バダラメンティが担当。

ミックマック  Micmacs à tire-larigo

「アメリ」「ロング・エンゲージメント」のジャン=ピエール・ジュネによるブラック・コメディ。
発砲事件に巻き込まれたバジルは、頭の中に銃弾が残ったまま、家も仕事も失ってしまう。
ある日、バジルは彼の頭の中の銃弾を作った会社を偶然にも見つける。
するとその向かいには、父親の命を奪った地雷を作った会社があった。
宿命を感じたバジルは、それらの兵器製造会社に制裁を下すことにする。