ベルナルド・ベルトルッチ Bernardo Bertolucci

リトル・ブッダ Little Buddha

米国シアトルに住む9歳のジェシー・コンラッドは、父ディーンと母リサと共に暮らす典型的な現代っ子。
ある日、一家の前にラマ・ノルブほか4人のラマ僧が訪れた。
ノルブは、ブッダの魂を受け継ぐと言われた尊師ラマ・ドルジェが9年前に他界したこと、そしてジェシーこそ、その生まれ変わりであると告げた。
その夜、リサは息子にノルブから贈られた本を読んで聞かせた。
それは古代インドで“世界を救う者”として生を受けたシッダールタ王子の物語だった。
ノルブは、ジェシーがほかの候補者と共に試練を受け、儀式に臨むためにブータンに赴かねばならないと両親に説く。

シェルタリング・スカイ The Sheltering Sky

終戦後まもなくの1947年、北アフリカ。
ニューヨークからやって来た作曲家のポート・モレスビーとその妻で劇作家のキットの目的は単なる観光ではなく、求めるべき夢さえ失なった彼らの深い喪失感をこの文明と隔絶し、あてどもない拡がりを持った世界で癒すためだった。
その旅の道連れとなったのがポートの友人で上流社会に属するタナー。
結婚して10年、夫との心のすれ違いを感じるキットに、かねてより彼女に心を寄せるタナーは接近してゆく。
やがて3人は次の目的地に向かうが、ホテルで同宿したイギリスのトラベル・ライター、ライル夫人とその息子で母親から金をせびってばかりいるエリックと同じ車に乗ったポートに対して、キットとタナーは別行動をとった。
そしてそこでついにキットとタナーは一夜を共にする。

ラストエンペラー The Last Emperor

1950年、ハルビン駅では次々と中国人戦犯たちが送りこまれていった。
800人を越えるその人の中には“清朝最後の皇帝”--愛新覚羅溥儀(ジョン・ローン)の顔もあった。
彼は人目を避けてトイレに入り手首を切った。様ざまな過去が彼の脳裏をよぎった--まだ何もわからぬ幼少(リチャード・ヴゥ)の頃、光緒帝は帰らぬ人となり、実質的支配者だった西太后(リサ・ルー)は、溥儀を紫禁城に迎え、皇帝にと考える。
紫禁城での生活は、外へ出ることは禁じられ、心の支えは乳母(イエード・ゴー)だけだった。
7年後、溥儀(タイジャ・ツゥウ)は、中国全土に革命の嵐が吹き荒れる中で、孤独だった。
そんな頃、家庭教師としてやって来たレジナルド・ジョンストン(ピーター・オトゥール)から数学やテニスなど西洋の文化を学ぶ。
やがて15歳になった溥儀(ワン・タオ)は17歳の婉容(ジョアン・チェン)を皇后に、12歳の文繍を第二の妃に迎えた。

ある愚か者の悲劇 La Tragedia di un uomo ridicolo

南欧の海に面した別荘風の家のべランダ。
若く美しい母親カテリーナは、赤ん坊に蜜を与えていたが、途中でレコードをかけて踊り出し、置き去りにされた赤ん坊は、祖母によってあやされた。
月日は流れ、赤ん坊は14歳の多感な少年ジョーに成長し、母のカテリーナは、世界的なプリマドンナとして活躍し、夫と共にニューヨークのブルックリン・ハイツに住んでいた。
カテリーナが、ローマでのオぺラ公演に出発しようと準備をしている時、同行するはずだった夫が事故死した。
ショックを受けたカテリーナは息子ジョーを連れてイタリアに行くことにした。

ルナ Luna