1980年代 an・an 男顔、女顔、それぞれの持ち味を生かすメイク

ゴルチエの服を着る時、一番ぴったりくるのはどんな顔?バレリーナみたいな顔なら断然最高。
たとえば、ゴルチエみたいな今一番お洒落な服を着るときに、最もぴったりくるのが骨格のしっかりした「男顔」だと思う。まつ毛バサバサのかわいらしいい顔じゃなくってね。最近はファッションも全体にマスキュランブームだから、そういう中性的な、どちらかと言えば男っぽい洋服にはあんまり女オンナした顔はそぐわないのかもしれない。
そこで、シャープなイメージを大切にしたマスキュランメイクについて、河野ミツルさんが一言アドバイス。
「男顔を作るには、まずファンデーションは自分の肌よりほんのちょっとダークで赤みのないものを選ぶこと。つける時は首筋にも薄く延ばして、不自然さが残らないように。それと、これが一番のポイントなんだけど、眉をしっかりさせること。このとき、すごく便利だと思うのが資生堂インウイのブラッシングアイブロー。外国にもないものだから、外人モデルなんか狂喜して買っていくみたい。あとは唇に色を入れないことかな」

整い過ぎたきれいな顔って、ともするとつまんなくなりがち。ならば一か所だけ派手にしてみる。
それじゃ、いかにも女の子っぽい顔だとおしゃれな服が着れないのかと言えば、そんなことはない。でも、今までと同じメイクじゃ、今一つ、物足りない気がする。もちろん、自分の持ち味が消えちゃうほど厚化粧して、無理やり男顔にする必要はないけど。
例えば上の写真のスベーニャ。彼女は目鼻立ちが何一つ崩れていない典型的な美少女。ノーメイクでも十分可愛いけど、それじゃ面白くないから、眉に、まつ毛と同じ赤いマスカラを塗ってみた。シャドーも口紅も、ほんのりパープルがかったピンク系でまとめてみたら、流行のロココ調のファッションにもしっくり似合う。ここで再び河野さんが一言。
「もともと優しい顔立ちの人は、無理して眉を一文字に描いたりしないほうがいい。眉って、どんなに濃くてもちょっとしたシェープの違いで女っぽいことがあるでしょ。たとえばブルック・シールズの眉みたいに。そういう人は、自分の眉の形を生かしたメイクをした方がいいみたい」