1980年代 髪型(ヘアスタイル)変えたら笑顔も変わった
髪の毛を切ると、どうしても男の子っぽくなるから、好きなパンツをやめて、スカート派に。
女の子から女性への変身の過渡期の中で。荒川律子さん。
髪型を変えることによって、ファッションもメイクも、そして性格さえも変わってしまう。ちょっと冒険的な変身だけど、新しい自分を発見するには勇気も必要。今よりもっとおしゃれになりたいなら、いまの髪型、勇気をもって変えてみない?
アンアン444号 ね、私も刈りあげちゃったに登場した20人の読者の中の一人。
8月はじめに、刈りあげて「大人っぽくなれてうれしい」といってた荒川さんのその後を聞いてみた。
もともと髪型を変えるのが好きで、刈り上げでも過激にならなければいいや、ぐらいに軽い気持ちで刈り上げに挑戦しただけに、今でも決して後悔はしていない。逆に「けっこう似合うネ」
なんて友達に言われて、上機嫌。
ただ両親からは「ますます男の子みたいになったネ」と言われ、歩き方が心なしか、大股になったのが悩みの種だそうだ。
でもその辺は彼女も心得たもので、刈りあげると、行動的になり、スカートやめてパンツを好む女性が多い中で、この荒川さんは異色な存在。
「逆に髪の毛が変わったことで女の子っぽい服もかっこよく着れるんじゃないかと思うようになったの。それにノーメークじゃ歩けなくなって、マユをかくようになっちゃった」
パンツなんかはいてると、うしろ姿がまるで男って感じになるので、あまりカジュアルにしないようにしてるとは言うが、見た目にはそんな風に全く思えない。おしゃれな女性へと少しづつ変身してるように思えた。
石黒ケイ=けだるい、不健康なイメージ、そんな印象が強かっただけに、「明るくなった」と言われるのがうれしい。
デビューして8年、これまでの彼女には、暗い、重いというイメージが常につきまとっていた。そんなイメージを一新、カーリーヘアからセミショートに変えた。
「確かに今までは、けだるい、不健康なイメージがありました。でも、髪を切ってからは自分の中の明るい部分がでるようになりました」
なぜか近寄りがたく、笑わないでいるとよく「疲れてるんですか?」と言われ、会う人ごとに変な気づかいをさせていたが、このごろはよく話すし、よく笑う。
ジーパンにTシャツ、革の上下、全体にモノトーンだったファッションも、最近はピンク、黄色、ブルーなどの原色も着る。「ビバ ユー」の洋服さえも着る。口紅もピンクぐらいはつける。本職の歌の方でも、サウンド的にポップになったし。それは11月21日発売のLP「YOU REMEMBER ME」を聞けば、十分納得できるはず。「きれいになった」「あかるくなった」との評判どおり、彼女に会う前に描いていたイメージとは大分違っていた。
最近、魅力的な女性はみんなショート。メイクも楽しくなるし、健康的ムードのショートヘアに今、中毒してます。北吉由香里さん。
北吉由香里さんがレイヤードをやめ、ショートカットにしたのは20歳の頃。「毎朝、30分もドライヤーをかけるのが急にバカらしくなって」という理由による。それ以来、ずっとショート。かつてハマトラ一辺倒だったファッションも変わり、「HIDE K2OGURE」「MOGA」党になった。「今、魅力的な女性だなって思うのは、佐藤千賀子さんにしろ、みんなショート。髪が短いと、ビビッドなカラーのマニキュアを付けたり、メイクも濃くしたりと遊べるし、楽しい。もちろん健康的なムードもあるし。今、私、ショートに中毒です!」
堅くて、黒くて、太い髪だったけど、カットして、メッシュしたら、柔らかくなり、洋服のコーディネートが楽しくなってきた。奥林美智子さん。
肩まであった長い髪、自分では写真のようなポニーテール風しか似合わないと思ってたし、洋服もカジュアルな物しか似合わないから、どうにかしたいと思ってたけど、切るのが惜しい。そんな奥林さんだったけど、美容師さんの勧めで、2か月前、カットしてメッシュしたら、雰囲気がガラリ一変、顔が映えるようになったと素直に喜んだ。「大人っぽいワンピースやスーツも着れるようになったし、今までアイシャドウ、チーク、口紅も全部つけて、ケバケバしかったメイクも今は目だけをポイントにしたメイク。毎朝、洋服のコーディネイトを考えるのが楽しくなりました」
ヘアスタイルを変えたことで心機一転。今までとは違ったおしゃれにチャレンジする気も起こせた。「顔の辺りがスッキリしたので首筋にアクセサリーでポイントを」大人のお洒落だ。
こんなにショートにする気は全然なかったのに。初めはショックだったけど、今は後悔していません。スポーツする楽しさ教えてくれたから。中田美穂さん。
ショートにする気はなかったのに、なんかの拍子になってしまったというのは中田さん。「10月中は、3センチぐらい切ってみたけど、中途半端なので思い切っちゃった。初めは何となくおかしかったけど、慣れました」。
洋服もワンピースやスカートが多かった彼女だけど、今はパンツ一辺倒。シヨートにしてから一度もスカートは履いていないという。
「ニットのワンピースを試しにつけてみたけど、全然おかしいの」洋服は無駄になったけど、もっと素晴らしいものを手に入れた。「以前より若く見えるようになったし、行動的になりました」
全くのスポーツ音痴だった中田さん、昼休みには、近くのバッティングセンターへ行ってり、ゴルフの打ちっぱなしをしたり、テニスを始める気にもなった。身体を動かす喜びを知ったことは、彼女にとって一大変化。
男の子っぽいファッションで、一人でお酒を飲みに行けるようになったのも髪型を変えたせいかしら。村田佳奈美さん。
高校卒業後、レイヤードカット、肩ぐらいまでのボブ、フラッパー、ストレートのロングヘア、ショートヘアと着たい服によって、いろいろ髪型を変えてきた村田さん、現在の形になったのは、今年の春。
「昔はピンクハウスやBIGIなどの可愛い服をよく着てたけど、今はちょっと大人っぽいワイズやコム・デ・ギャルソンを着れるようになりました。それに男物もののシャツやセーターも」
洋服が変われば、行動が変わることも。彼女の場合はその典型的な例だ。
「男の子っぽいかっこうすれば、今までは一人で飲みに行くことさえできなかったのに、屋台とか平気で一人で行けちゃう」
性格的にも自分に自信が持てるようになったのも髪型のせい。
モデル、アンジーの髪型に触発され、多少の酒の力も借りて、刈りあげてみたら、黄色やオレンジなどの大胆な色の服も着れた。斉藤美和さん
今年の9月中半、違った頭にしたいとかねがね思ってた斉藤さんに髪を切らせる引き金となったのは、アンアンでおなじみのモデル、アンジー。
「前々から同じ事務所の出井優子さんのような髪型にしたいと思ってたのが、アンジーを見て決心がつきました。他多少お酒が入ってたせいもあって「またのびてくるさ」っていう軽い気分で切っちゃいました」
イメージを変えた短い髪、当然仕事の内容も変える。
毛皮とか、スーツとか、大人っぽい服のモデルから、カジュアル物のモデルへ。
個人的にも、「ニコル」などの色のないシックな服から「カンサイ」「スタジオV」など色のある服へと洋服の趣味も変わった。男性には「付き合いやすくなった」と好評、男友達も増えてきたという顔もハツラツ。
フレアスカートから、チノパンツへ。刈り上げショートにしたら、タンスの中身も、どんどん変わってきた。宮園由美さん
名前は忘れちゃったけど、9月ごろアンアンに出てた刈り上げショートのモデル。その髪型があんまりかわいかったから、バッサリ切っちゃったんです」
5年間のショートボブ生活から、一転、今年の10月に刈り上げにした富園さん。女らしい清純イメージから、ガラリ、チャキチャキ活発に大変身。
「もう、すっごく気分が軽くなっちゃった!」
写真を見比べても分かるけどショートにして、表情がイキイキしてきたのがわかる。切れ長のキュートの目が、よりチャーミングに。笑顔もパァッと明るくなった。
「前は黒が基本色。それにピンクハウス風のかわいいスカートが多かったの。それが今はパンツ中心のカジュアルでカラフルな服ばかり」
行きつけのお店も「メルローズ」から、古着屋。遊び場も夜のカフェバーから、ビリヤード場へ。髪を切って、生活全部が行動的になった。いつも元気一杯でいられるのが、刈りあげのいちばんの成果とか。
「カマトト」「ぶりっ子」「お人形みたい」と言われるのが嫌で、髪をバッサリ。本当の自分が表現できるようになったと満足。谷口恭子さん。
高校生からの長い髪をバッサリ切って、刈りあげにしたのは3年前。谷口さんの場合、その動機がふるっている。
「高校時代、周りからはお人形さんのように勝手に思われてたみたい。それがとてもいやだったの。それに「カマトト」とか、「ぶりっ子」って言われるのが嫌で」
女性なら、お人形さんみたいに可愛いねって言われれば喜ぶのに、彼女はそれに反発した。
以来、「ハツラツとしてるね」「生き生きしてきたよ」という言葉はあっても、もう「ぶりっ子」という人はいなくなって、彼女は満足気だ。
「お洒落だって、サラサラ髪のストレート以外だったら、短くしてる方がお洒落に見えるでしょ。メイクだって髪型が派手だとノーメイクでもOK」
しっかりとしたおしゃれポリシーを持っている谷口さんの理想はロンドンの少年のファッション。だから「長い髪で顔を隠して自分をつくろう女の人ってずるいと思うの」っていう言葉もよくうなずけた。