ジム・ジャームッシュ Jim Jarmusch

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ Only Lovers Left Alive

吸血鬼でありながら、どんな弦楽器でも弾くことができるミュージシャンとして活動中のアダム。
アンダーグラウンドな音楽シーンに身を置いて人間たちと共存しているが、何かと自己破壊的な言動を取る彼らに対して複雑な思いを抱いていた。
そんな中、何世紀も恋人として愛し合ってきた同じ吸血鬼のイヴが、アダムが暮らすデトロイトへとやって来る。

リミッツ・オブ・コントロール The Limits of Control

自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ”という言葉のみを任務として与えられた、コードネーム“孤独な男は、スペインに降り立つ。
“必ずエスプレッソを2つ注文し、携帯も銃も仕事中のセックスもなし”という指令以外すべてが謎に包まれたまま、男は任務の遂行を目指す。
スペイン中をさすらう彼の前に、“スペイン語は話さないのか?”という問い掛けを合言葉に、同じくコードネームを持つ仲間たちが現れる。

ブロークン・フラワーズ Broken Flowers

コンピュータ産業でひと財産を築いた中年男ドン・ジョンストン。
同棲していた恋人のシェリーにフラれたばかりの彼は、”あなたの息子がもうすぐ19歳になる“と書かれた差出人不明のピンク色の手紙を受け取る。
隣人のウィンストンに促されたドンは、20年前に関係のあった女たちをリストアップし、交通事故死していたペペを除く、4人のもとを訪ねる旅に出た。
まずはローラ。
露出癖のある娘ロリータと2人暮しの彼女は、結局ドンと1つのベッドで朝を迎えることに。

10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス Ten Minutes Older: The Trumpe

女優がトレーラーに連れて来られ、1本のタバコを吸うほどの時間が与えられた。
緊張を解き、リラックスできるはずの休憩時間。
女優はヒールの高い靴を脱ぎ、体を伸ばし、タバコに火をつける。

ゴースト・ドッグ Ghost Dog: The Way of the Samurai

ニューヨーク。一匹狼の殺し屋ゴースト・ドッグは、日本の武士道精神を語った古典『葉隠』を座右の書に、とある古ビルの屋上で伝書鳩だけを友としてひっそりと生きていた。
彼は若い頃、自らの命を救ってくれたイタリア・マフィアの幹部ルーイを主と仰ぎ、彼に忠義を尽くしていた。
今回の彼の標的はルーイのボス、ヴァーゴが溺愛するひとり娘ルイーズに手を出したファミリーの一員ハンサムフランク。
今回もみごとに相手を仕留めた彼だが、同じ部屋には街を去ったはずのルイーズが。

イヤー・オブ・ザ・ホース Year of the Horse

60年代後半から活躍し続けているロックの大御所・ニール・ヤングと、彼と熱い絆で結ばれたバンド、クレイジー・ホースの肖像を、96年のライヴと舞台裏の映像を中心に、76年・86年のフィルムを絡ませて、感動的に綴っていくドキュメンタリー。
監督・撮影は「ダウン・バイ・ロー」のジム・ジャームッシュで、ヤングとは前作「デッドマン」でも組んでいる。

デッドマン Dead Man

会計士のウィリアム・ブレイクは西部の町マシーンのディキンソン鉄工所に就職する予定だったが、到着すると職はなく、社長のディキンソンにライフルで追い返される。
ウィリアムは娼婦のセルと出会う。
二人が寝ているとセルの元恋人チャーリーが闖入、セルはウィリアムをかばって射殺される。
ウィリアムは偶然手にした拳銃を発砲、まぐれ当たりでチャーリーを殺して逃亡する。
気を失った彼は先住民の流れ者ノーボディに助けられる。
セルを撃ち抜いた弾は彼の胸にも達しており、心臓のそばに止まったまま摘出できない。
チャーリーはディキンソンの息子で、父は三人の殺し屋コール、トゥイルキッドに息子の仇を追わせる。

ナイト・オン・ザ・プラネット Night on Earth

ロサンゼルス、午後7時7分〉ワゴン・タクシーの運転手コーキーが乗せた客はキャスティング・エージェントのヴィクトリア・スネリング。
新作の女優を探すのに苦労するヴィクトリアは、乱暴な言葉使いだが生き生きとしたコーキーに映画に出ないかと誘うが、彼女は整備工になる夢があるから、と断わる。
ヴィクトリアは残念そうに、しかし少しうらやましげに見送る。
〈ニューヨーク、午後10時7分〉寒い中、若い黒人の男ヨーヨーがやっと拾ったタクシーの運転手ヘルムートは、東ドイツからの移民で今日が初仕事。
運転もろくにできず、たどたどしい英語を喋るヘルムートにイラつくヨーヨーだったが、言葉をかわすうち、昔、道化師だったという彼に打ち解ける。

ミステリー・トレイン Mystery Train

l台のウォークマンを2本のイヤホンで聞くミツコとジュンを乗せた汽車がメンフィス駅についた。
<ファー・フロム・ヨコハマ>駅に降り立った2人はエルヴィスのグレースランドに行くか、カール・パーキンスらが録音したサン・スタジオに行くか口論する。
結局ジュンが折れてミツコの希望するグレースランドに向かうが、たどり着いたのはサン・スタジオだった。
2人はアーケード・ホテルに泊まることになり、ミツコはベルボーイに日本のプラムをプレゼントする。
深夜、夜汽車を見ていたジュンはミツコと愛しあう。
そしてラジオから流れるエルヴィスの『ブルー・ムーン』。翌朝荷作りをする2人の耳に銃声がこだまする。
しかし彼らは驚くことなく、そっと部屋を去る。
<ア・ゴースト>メンフィス空港。
遺体引き取りの書類にサインするイタリア女性ルイーザは、飛行機の座席をとれず街に出る。

ダウン・バイ・ロー Down by Law

ルイジアナ州ニューオリンズ。ジャックは、チンピラでポンびき。
情婦ボビーにあいそづかしされているところへ、縄ばりをはり合っているギグに騙されて投獄されてしまう。
一方、ザックは、リー・ベビー・シムズの名でディスク・ジョッキーとして結構売れていたこともあるが、ジャガーを一時間運転するだけで1000ドルの報酬という話にのって、ワナにかけられて逮捕される。
こんな2人が、OPPの同じ獄房に入れられた。
むっつりとしたザックと態度の大きいジャックは、初対面からうまくいかない。

ストレンジャー・ザン・パラダイス Stranger Than Paradise

ウィリーは、10年来ニューヨークに住んでいる。
ハンガリー出身で本名はベラ・モルナー。クリーヴランドに住むロッテおばさんから電話が入り、彼女が入院する10日間だけ、16歳のいとこエヴァを預かるこどになった。
エヴァはアメリカで新生活を始めるため、ブダペストからやって来るのだ。
やって来たエヴァに、TVディナーやTVのアメリカン・フットボールを見せるウィリー。
彼にはエディーという友達がいて、2人は、競馬や賭博で毎日の生活を食いつないでいる。

パーマネント・バケーション Permanent Vacation

眠れないまま、アロイシュス・パーカーは、ニューヨークの裏街で歩きまって夜を過ごしていた。
「どの人間も住んでいる部屋に似ていて、定着してしまえばおしまい」と考える彼は、そうならないために、追いかけてくるものの一歩さきを動いていこうと強く思っていたが、それを同居している女友だちのリーラに伝えることはむなしい。
彼女は部屋の外を窓から見ている。

ジム・ジャームッシュ Jim Jarmusch

作家を目指してコロンビア大学へ入学、卒業後にニューヨーク大フィルム・スクールに入学。
卒業製作で手掛けた「パーマネント・バケーション」が話題になる。
その後ニコラス・レイやヴィム・ヴェンダースの下で「ことの次第」などの製作助手をしながら、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の第一部を発表。
84年に長編として再編集し、インデペンデント映画の寵児ともてはやされた。