Tron Legacy 2010 トロン・レガシー
現在と未来の追いかけっこは終わることがなく、常時未来が先行する。
それだからこそ、映画で描かれる未来は簡単に予想できるそれであっては困るわけで、「トロン・レガシー」は光と架空の空間をCGで駆使して申し訳ない世界観を作り上げた。 ...
smoke 1995 スモーク
原作のポール・オースターはさながらアメリカの村上春樹だろう。
何でもない日常が、深くて淡い色で重ねられていく。
で、本作も然り。ブルックリンにある街のたばこ屋に、たくさんの小さなドラマが日々生まれれる。
ハーヴ ...
Woodstock 1970 ウッドストック 愛と平和と音楽の三日間
ラブとピースとロックンロール。
最終日の朝にジミー・ヘンドリックスが奏でたアメリカ国家は例え異国の民であろうとも、それがただならぬ一瞬であったことは簡単に想像がつくだろう。
便利で無限の快適が取り揃えられた今、同じよう ...
死刑台のエレベーターElevator to the Gallows
マイルス・デイビスはスクリーンに映し出された無声フィルムに向かって演奏し、このサントラを完成させた。
つまりこれもまたジャズがコードの概念から離脱したユニークな例なのかもしれず、個人的にジャズの歴史上最も映像的な演奏と記憶して ...
The first monday in may メットガラ ドレスをまとった美術館
毎年メトロポリタン美術館で開催される「メットガラ」はファッションとアートが融合する豪華絢爛なパーティー。
この21世紀最高峰の社交場を主催するのはプラダを着た悪魔ことアナ・ウィンターと一緒に各シーンを追いかけたように、その臨場 ...
バスキア Basquiat 1996
喫茶店のウェートレス、ジーナの部屋に転がり込んでいたストリート・アーチストのバスキア。
彼は美術評論家ルネに注目されたことから、アンディ・ウォーホルに認められ、一躍有名になる。
だがそれと引き換えに、ルネやジーナの心は ...
欲望 (1966) BLOWUP
スウィンギング・ロンドンというUKの60sカルチャーは音楽的に形容することが難しい。
ロックもスイングすることを可能にしているし、実際この「欲望」でハービー・ハンコックが奏でるのはR&Bだ。
では、誰がこの作中で一番広 ...
Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち
ピナ・バウシュが存命のうちにその舞台を目にすることができなかったことが悔やまれる。
独創的でミステリアスなそのその世界を支えたのはパリ在住の音楽家、三宅純。
サウンドそのものが映像的で、不幸中の幸いは三宅ワークスを生で ...
マルコムX Malcolm X
「黒は美しい」と語り、アメリカ人であることよりも黒人であらんとしたマルコムXは「私には夢がある」と演説したキング牧師と比較すると、アウトローで攻撃的だ。
本作を一貫してブラックカルチャーを追うスパイク・リーがメガホンを取ったこ ...
グッドモーニング, ベトナム Good Morning, Vietnam
あくまで間接的に戦争を描いた映画。
ラジオの映画と言っていいかもしれない。
リスナーが求めているモノをしがらみなく届けることは、コマーシャルに溢れた現代と比較すればキラキラと光って見えるし、何よりロビン・ウィリアムのル ...