鈴木清順 seijun suzuki

Yumeji 夢二

「ツィゴイネルワイゼン」(1980)、「陽炎座」(81)に続く鈴木清順監督の“浪漫3部作”の完結編で、大正から昭和にかけて活躍した画家・竹久夢二の半生を幻想的に描き出す。
恋人の彦乃と駆け落ちするため夢二は金沢の湖畔へやってくるが、そこに彦乃は現れず、さらには静かで小さな村に突然の銃声が鳴り響く。
妻を寝取られた男・鬼松が、妻と妻を寝取った男を殺して山に逃げ込んだようなのだが……。
夢二役は「カポネ大いに泣く」(85)に続き清順監督作の主演となった沢田研二。

Kagero-za 陽炎座

81年、『ツィゴイネルワイゼン』の大ヒットを受けてシネマ・プラセットが製作した話題作。
泉鏡花の小説を鈴木清順監督が華麗な色彩と映像美で描いた妖気ただよう大正ロマネスク。
当時、その華麗な映像世界は“映像歌舞伎”といわれ高い評価を受けた。
脚本は『ツィゴイネルワイゼン』に引き続き田中陽三。
美しい女たちの愛と憎しみの渦に引き込まれ、この世ともあの世ともつかない妖しい世界をさまよう主人公には、鈴木清順の大ファンだったという松田優作が扮している。
大楠道代との背中合わせのラブ・シーンも話題を呼んだ。
死んだ女との出会い、女装した髭の男、残酷な屏風絵など現実離れしたイメージが少しも不思議に感じられない清順マジックに酔いしれるベシ。

Branded to Kill 殺しの烙印

新人の具流八郎がシナリオを執筆し、「けんかえれじい」の鈴木清順が監督したアクションもの。
撮影は「続東京流れ者 海は真赤な恋の色」の永塚一栄。

Pistol Opera ピストルオペラ

東京駅の屋根を殺し屋が転げ落ちる冒頭から、エンディングに至るまで、ゾクゾクするほど斬新な映像美が目を奪われ続ける。
挑戦的なエロティシズム。
劇画的けれん味のセリフ廻しや演技。
『ツィゴイネルワイゼン』で世界的な巨匠に名を連ねた鈴木清順は、70歳を過ぎてもなお衰えない才能で、アヴァンギャルドな芸術性と遊び心にあふれた異色作を作り上げた。

Gate of Flesh 肉体の門

終戦直後の東京で娼婦としてたくましく生きる女たちの姿を描く。
田村泰次郎原作の同名小説の五度目の映画化で、脚本は「吉原炎上」(脚本構成)の笠原和夫が執筆。
監督は同作の五社英雄、撮影は「竜馬を斬った男」の森田富士郎がそれぞれ担当。

Zigeunerweisen ツィゴイネルワイゼン

4人の男女が、サラサーテ自ら演奏する「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを取り巻く、妖艶な世界へと迷い込んでいく。
1980年キネマ旬報ベストテン第1位、ベルリン映画祭・審査員特別賞、ブルーリボン賞最優秀監督賞、第4回日本アカデミー賞最優秀作品賞等受賞。
『陽炎座』(1981年)、『夢二』(1991年)と並んで「(大正)浪漫三部作」と呼ばれる。
特設映画館を作って各地で映画を上映して回るという日本映画の新しい形を目指すことで注目を集めるシネマ・プラセットの第一回作品で、最初の公開は東京タワーの駐車場に作られたドーム型特設劇場で行われた。
昭和初期、一枚の奇妙なSP盤に取り憑かれた二組の男女と一人の女を描く。
脚本は「おんなの細道 濡れた海峡」の田中陽造、監督は「悲愁物語」の鈴木清順、撮影は「殺しの烙印」の永塚一栄がそれぞれ担当。
内田百聞の「サラサーテの盤」を、生と死、時間と空間、現実と幻想のなかを彷徨う物語として田中陽造が見事に脚色。
木村威夫、多田佳人ら清順組の美術の絢爛さと相まって、傑作として仕上がった。

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Posted by styleskoenji