2017.08.21~22 八ヶ岳 黒百合ヒュッテ 中山峠〜天狗岳~硫黄岳
森山直太朗さんは山荘に足しげく通われる、山好きのようです。
以前、森山さんが書いた文章が大好きなので紹介したいと思います。
「山派か海派か。
どちらも雄大な自然ですけど、自然に何を求めるタイプかによって分かれると思います。
僕は春夏秋冬、山派です。
季節問わず山小屋でのんびり過ごしますし、雪があればスキーもします。
海の良さは、海水浴場の賑わいだったり夏の夜も花火をしている人がいたり、山よりもアクティブな雰囲気。
でも、山には圧倒的な静寂があります。
特に山小屋に籠る夜。
風が吹けば森がせせらぐ音や街にいると逃がすような小さな音しか聞こえてきません。
そう、僕はこの静寂を求めて山に行くんです。
一番贅沢な過ごし方は、何もしない事。
はじめは苦労しました。
何せ僕は、山にくる以前は沈黙を避けるために間を埋めて話すタイプの人間だったから。
都会から隔離された山小屋に行くと、圧倒的な寂しさと退屈が襲ってきます。
でもこの時間になれると、そのあとに来るのはフラットで弛緩した心地よさ。
勝手に寂しさの向こう側と名付けているんですけど、街では感じられない時間です。
街にいると、インターネット、テレビ、知人や仕事の連絡と、間を埋める要素がいくらでも手に入ります。
その情報過多なところを含めてあくせく生活をしていると悩ましいこともたくさんある。
だけど、山の美しさ、何百年もそこにある大木の前に身を置いて、心身共に心地よい時間を過ごす体験をすると、「つまらないことで悩んでいたな」って。
自分自身と対峙することで、シンプルに物事を考える能力がつくのかも。
ちょうどこれからの季節、山小屋はクーラーいらずで湿度も少ないベストシーズンです。
山小屋で何もしない贅沢な時間を感じてみてください」。





