プレックス剤・ケアブリーチ・OLAPLEX(オラプレックス)」・SMARTBOND(スマートボンド)

「ジマレイン酸系プレックス剤」
プレックス剤って色々な種類があるけど『ジマレイン酸』は何が特徴?
ブリーチやカラーの処理剤として各社から相次いで発売された、通称「プレックス&ボンド系処理剤(略して『プレックス剤』)」。
ダメージを軽減したり、発色や色持ちを良くする処理剤として知られてきています。
「プレックス剤」と言っても、成分は各社それぞれ。
代表的な成分はジカルボン酸(マレイン酸等)と「ジマレイン酸」ですが、(ジカルボン酸に含まれる)レブリン酸や S-スルホン化ケラチンを配合している製品もあります。
Schwarzkopf 「FIBERPLEX (ファイバープレックス)」、ガモウ「OLAPLEX(オラプレックス)」、ロレアル「smartbond(スマートボンド)」、ウエラ「ウエラプレックス WELLAPLEX」など。

ヘアカラー マレイン酸 ジマレイン酸
ヘアカラー マレイン酸 ジマレイン酸

ジマレイン酸系プレックス剤は架橋をつくる

普通、プレックス剤はジマレイン酸とカラー剤を組み合わせる前提でつくられています。
なぜならジマレイン酸はカラーと組み合わせたときに、大変優れたパフォーマンスを発揮すると考えられるからです。
各社のプレックス剤は酸成分だけでなく、様々な有効成分を組み合わせているので、一概に比較はできませんが、ジマレイン酸とマレイン酸の成分面だけを比べてみると、そこには大きな違いがあります。
簡単に言うと、毛髪とくっつきやすい「手」(もう少し正確には、毛髪内のシステイン残基と結合できる「手」) がひとつなのがマレイン酸、二つ持っているのがジマレイン酸です。
そしてジマレイン酸の手は長く、外側に向かっているので、遠くまで届くイメージです(しかしマレイン酸は、アミノ基と繋がる、別の「手」があり、ジマレイン酸にはアミノ基と繋がる手はありません)。
つまりジマレイン酸のほうは、長い両手であちこちのシステイン残基を結び付ける(=S-S結合する)ため、架橋を作ることができます。
しかしマレイン酸のほうは、片手でしかシステイン残基をつかめないため、 架橋はできません(ただしマレイン酸は、システイン残基と結びっくことで、システイン酸の生成を抑制する=ダメージを防ぐ、といった働きはします)。
と、いうわけで「マレイン酸」と「ジマレイン酸」という成分のみを見た場合は、 毛髪内部を強化する働きの強さは、ジマレイン酸のほうが有効だと考えられるわけです。
よって、ジマレイン酸系プレックス剤は、 ブリーチ剤や液体カラー、塩基性カラーと組み合わせた展開で考えています。

smartbond(スマートボンド)・OLAPLEX(オラプレックス)・FIBERPLEX(ファイバープレックス )・R・ウエラプレックス
smartbond(スマートボンド)・OLAPLEX(オラプレックス)・FIBERPLEX(ファイバープレックス )・R・ウエラプレックス

「ダメージを抑える」のではなく、「ダメージしたものをくっつける」働き

ジマレイン酸系プレックス剤の働きとして、「ブリーチやカラー(またはパーマ)の時に、「ダメージをさせない(抑制)働きをする」と考えている人は多いと思います。
最終的にはダメージの軽減に繋がるので、間違っているわけではないのですが、厳密には「ダメージをさせない、のではなく、(アルカリ&オキシ=活性酸素によって)一度ダメージさせてしまったものを、もう一度修復する働きをする」というイメージが正しいと思います。
もう一度、ダメージの仕組みをおさらいしましょう。
ブリーチ剤やヘアカラー剤は、 オキシ(過酸化水素水)を使うことで、毛髪内部のメラニン色素を酸化脱色すると同時に、シスチンを過剰に酸化させるので、 システイン酸を作り出してしまいます。
このシステイン酸が増えると毛髪の強度が弱くなる=ダメージしてしまうわけです。
この切れてしまった結合にくっつく「手」が二つあるため、もう一度結び付けることが可能であるのがジマレイン酸です。
ですから最初からS-S結合を切らない(過酸化水素の働きを弱める)わけではありません。
そもそも、そんなことをしたら明度が上がらなくなってしまいます。
パーマの場合もS-S結合が切れなければかかりません。
つまり「一度、切れてしまったものを、もう一度くっつける役目」をしているのがジマレイン酸というわけです。

より効果的に、ジマレイン酸とカラーを組み合わせるには

プレックス剤すべてに言えることですが、基本的にはメーカー推奨の使用法、量(主に希釈倍率)を守って施術しましょう。
それが最もパフォーマンスの高い使用方法です。
主成分が「酸」なので、濃過ぎるとアルカリカラー剤のpHが下がりパワーダウンする可能性があります。
濃度を高めすぎると、明度が上がりきれないなどの問題が生じてしまうのです。
また、ウエット状態で塗布するか、ドライで塗布するかでも、含まれる水分量の違いによる差が出ると考えられます。
ではどのタイミングで、どのように用いることが、最もパフォーマンスを上げるのでしょうか?
内部にしっかり浸透させることが大切なので、 タイミング的には前処理時に使うことがベスト。
この時、事前に浸透剤(カチオン系など)を塗布しておくと、さらにパワーアップします。
特にブリーチの場合は、酸成分によるpHダウンの緩和も期待できますね。
また活性ケラチンもジマレイン酸と相性が良く、相乗効果で発色と色素の定着、ダメージ軽減効果がアップするはずです。
ジマレイン酸はどの段階で使っても、悪影響は与えないと考えられますが、中間や後処理時の使用は、前処理補ほどの効果は得られないと思います(ただし後処理使用はバッファー効果で色の定着が良くなる可能性がある。特に寒色系で効果的)。

ケアブリーチ PLEX(プレックス)、ボンド ジマレイン酸 プレックス剤
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