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Alyana Cabral アリアナ・カプラル

There are many Filipino artists who are famous in abroad now,
but the more significant thing to ask is that,
when will people in the world realize that
each country has something to offer.
海外で活躍するフィリピン人のアーティストも増えてきたけど、むしろ世界がいつそれぞれの国に、何かしらの魅力があるってことに気がつくか、っていうことのほうが重要だと思うの。

才気あふれる” 10代のおばあちゃん“

「音楽の力や意味が増している時代でもあると感じるの。抑圧された日常や人生に対して、音楽はその正反対にある感情を映しだす鏡よ。それは日々を乗り越えていくための
助けにもなる。だから、音楽はセラピーみたいなものなの」
今年の春にUP (国立フィリピン大学) を卒業したばかりのアリアナ・カブラルは、想像していたよりもずっと小さく華奢で、ゆえにその芯の強さが余計に際立って見えた。
彼女はまだ23歳だが、興味の対象は音楽から映画、詩、政治、歴史、ジャーナリズムと、自分でも収拾がつかないほど多岐にわたっていて、そのすべての打席に立ってフルスイングしたいものだから、つねにいくつものプロジェクトが同時進行しているような状況が続いている。
こと音楽だけに限っても、大学時代に結成し、ボーカルと作曲を担当しているourselves The Elves、ギターで参加しているThe Buildings、キーボードとパーカッションで参加しているShamanismの3組のバンド活動があり、ソロとしては英詞で歌うTeenage Granny名義、タガログ語で歌う本名のアリアナ名義の2つがあるというから驚きである。
さらに単発のサポートとして関わっているバンドやオーケストラの活動も含めた……って、そんなに詰め込んで大丈夫?
「大学を卒業して勤めたCNNマニラ支局の仕事は、音楽と両立させるのが難しくて辞めちゃつたわ。でも私にとって、すべてのプロジェクトには意義があるの。どれも大切にしてるつもり。バンドでの活動はそれぞれにまったく違うジャンルの音楽だから自分の演奏能力を高めてくれるし、そこで得た刺激をまたソロ活動にフィードバックすることだってできると思う。大事なのは パランスね(笑)」
出身はラグナ州のロスバニョス。
父はマカティにあるクラブ「TIME」のレジデントD Jで、大学の同級生だった母はそんな父と音楽を通じて出会った。
音楽一家で育ったこともあり、初めての作曲は13歳のときと早い。
10代のころは、思春期特有の不安定な情緒や世の中に対する不満を歌に乗せた。
やがていろんな音楽に触れ、仲間たちと楽器を弾くようになると、ソロの音楽性はより古典的なフォークへと回帰していくことになる。
「いま、この国で音楽家が置かれている状況は政治的だと思う。フィリピン国民は暗く、辛い時期にあるの。政府が農民や麻薬中毒者を殺し、ミンダナオ島には戒厳令が敷かれてる。たしかに、私のようなミドルクラスにとっては遠い世界の話なのかもしれない。でも、起きていることは事実だし、それを見ようとする人たちは周りにも多いわ。私のフォークソングのプロジェクトは、これからますます政治的になっていくと思う。そもそもフォークを始めたのは政治的な表現のためだから」
アリアナはタガログ語で曲を作るとき、スペイン統治下時代に流行した「クンディマン」の様式を取りいれる。
このフィリピンの伝統的で感傷的なラブソングは、若いアリアナにとっては「新鮮でクールなもの」ということになるらしい。
同じように、Teenage Granny名義の新曲ではフィリピンの伝統楽器である「クピンJ&n]という口琴を使用している。
「フィリピンだけじゃなく、アジア全体にはかつて植民地下にあった国が多いでしょ。いろんな国からの影響や文化が複雑に入り混じったメルティング·ポットのような地域
だと思うし、自分たちのオリジナリティとは何かという問いについていつも考えているわ。海外で活躍するフィリピン人のアーティストも増えてきたけど、むしろ世界がいつ
それぞれの国に何かしらの魅力があるってことに気がつくか、っていうことのほうが重要だと思うの」
アリアナは、自分が人に何を聴かせたいか、ということにこだわる。それは自分たちが世界にどう見られるかとか、世界に対してどうアプローチすればいいかといったような
ハナから主導権を外部に明け渡したような態度の彼岸にあるものだ。
そこに彼女の、若さゆえの切迫感や焦燥感とは似て非なる、音楽家としての欲を見たような気がする。
[Teenage Grannyの由来は、私が編みものが好きだからよ。ギグでもどこでも、時間があれば編みものをしてる私を見た周りの人たちが、私のことをLola (おばあちゃんの
意) ってからかうから、そこから着想を得てつけたの。当時はティーンエイジ( 10代)じゃなくなったらどうしようって思ってたけど、もういまはよりグラニー(おばあ
ちゃん)に近づいてるから、まあ気にしないことにしてるわ(笑)」